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■2025年9月10日(水) On-Site Reort 671号


富士総業(株)(静岡県小山町)の新規事業

フォレストサイクル、始動


 本誌2025年2月26日付646号で一部既報。富士総業(株)(静岡県小山町、込山功次社長)の新たな事業が始動、9月4日に開催した竣工式には行政関係、原木供給者、林業、関係者などおよそ70名が出席し、工場見学などが行われた。事業サイトは同町の木材流通の拠点である静東森林経営協同組合原木センターに隣接した上野エリアで、木材や製品輸送の効率化や輸送CO2排出の削減を図る。
 敷地面積は約9,430m2。建屋は木質ペレット・チップ生産を行う工場棟が1,146m2、原料チップを保管するチップ積載棟100m2、ガス化CHPを格納した熱源棟は429m2、倉庫事務所棟412m2。

●事業会社はフォレストサイクル
 富士総業はこれまでも行ってきた地域材活用による化石燃料代替燃料の製販、熱電併給事業を拡大する。既存の1t/hペレット製造プラント(御池鐵工所施工)に加えて新設の子会社(株)フォレストサイクル(FOREST CYCLE、同町、込山正一郎社長)を通して新たなペレット・チップ製造、エネルギー併給事業に乗り出す。

●ペレット・チップ周り・ガス化CHP、プラント設計施工――三洋貿易
 木質ペレットに関しては製造能力が約4t/hと国内最大級の成型機を導入、当初は6,000t/y生産を想定する。ラインを構成する導入設備はドラムチッパ、スクリーナ、ムービングフロア、ウェットハンマーミル、ベルトドライヤ、ペレットミルなど。ネルギー化設備としてはガス化CHPを3基と、ペレット焚き温水ボイラ2基を導入した。チッパ、ペレット周りとCHPについては、三洋貿易(株)(東京都千代田区、新谷正伸社長)が注力しているRudnick & Enners社製チップ加工設備と、CPM社製ペレットミル、Burkhardt社製ガス化CHPを供給・設計・施工、保守・メンテナンスを行う。三洋貿易にとっては、本年6月に新たに稼働させた北の森グリーンエナジー(株)(北海道下川町、大藪吉郁社長)のペレット生産・熱電併給プラントにチップ生産を加えた森林資源利用複合プラント。


上左はBurkhardt製木質バイオマス熱分解ガス化CHP、右が二光エンジニアリング製温水ボイラ

●温水ボイラは地元・丸文製作所が二光エンジ製を供給
 ペレット焚き温水ボイラ(写真右)は、二光エンジニアリング(株)(静岡県磐田市、青島正人社長)製の580kW機×2基を(株)丸文製作所(同県浜松市、松井隆文社長)が供給し、CHP3基と合わせてペレットを利用して熱供給を担う。二光エンジのペレット焚き温水ボイラは信頼性が高く納入は350基を超える(本誌集計)。
 燃料になる原木は静東森林経営協同組合や近隣森林組合、素材生産者等から調達して破砕・乾燥などして利用。ペレットに適さない樹種などは切削チップにして町内のパーティクルボード工場(ENボード(株))に販売してマテリアル利用する。
 製造したペレットは自社他社CHPほか温水ボイラ・加温機を導入している需要家に供給。熱エネルギーは乾燥熱源として活用することで総合エネルギー効率を80%近くまで上げる。電気エネルギーは東京電力パワーグリッド(株)にFIT制度を使って売電する。

●グリーンファイナンス推進機構も参画
 事業費は総額約24億円。事業は(一社)グリーンファイナンス推進機構(東京都港区、飯野裕二代表理事)から2億円の出資を受けたほか、沼津信用金庫、静岡銀行、三島信用金庫、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫からの融資、林野庁の「合板・製材生産強化対策事業」の助成と静岡県「ふじのくにエネルギー地産地消推進事業費補助金」を受けて進められる。

●小山町のガス化CHP5基はFIT・ID取得
 成型機はCPM製の国内最大規模ペレットミル7900シリーズが採用され、熱分解ガス化CHPはBurkhardt製が採用され小山町では合計5基のBurkhardt製CHPが導入されたことになる。いずれもFIT制度を利用できるようIDを取得している(下表)。
 概説すると1基目は小山町が事業主の森の金太郎発電所は上野ウバ久保地区に1基導入。FIT・ID/1H66039C22、認定出力165kWe、2019年4月運開報告済。 2基目は富士総業(株)名でFIT・ID/1Z96562C22を取得。認定出力181.5kWe、2019年12月運開報告済。ホテルジャストワン富士小山に導入された。 3〜5基目は、このほど事業を開始した(株)FOREST CYCLE案件で、FIT・IDは1M24211C22。新規認定日は2023年3月28日。認定出力は570kWなので1基あたり最大190kWの計画。事業サイトは1基目の森の金太郎発電所の隣地。


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